相続時精算課税制度は、一度に大きな財産や株式を委譲することができることです。

ロクモンの12月の相続相談をご紹介させていただきます。

 

収益不動産や会社運営によって大きな財産を築くことができましたが、

それゆえに悩ましいのが相続時の遺産分割や相続税です。

こうした相続税の対策のひとつとして使える制度が「相続時精算課税制度」です。

 

相続時精算課税は、贈与税を減額できる制度です。

親や祖父母が子供や孫に対して財産を贈与する際に利用できます。

子や孫の世代に生前に財産を委譲して有効活用してもらい、

実際に相続が起こった時に相続税と贈与税を精算することを目的としています。

 

相続時精算課税の最大のメリットは大きく二つあります。

一つ目は、最大2500万円までの大型の特別控除があることです。

生前贈与では財産を贈与すれば基礎控除の110万円を超える部分については贈与税がかかりますが、

相続時精算課税制度には最大2500万円の特別控除があります。

 

二つ目は、本来なら法定相続人ではないお孫さんにも適用できることです。

健康寿命が伸びいるため、相続が開始される年齢は年々上昇傾向にあります。

そのため、私のようにお孫さんに事業承継する場合、

株式だけをまずお孫さんに譲るときなどは、非常に有効な手法となります。

 

同一の父母または祖父母からの贈与なら限度額に達するまで何回でも控除することができ、

2,500万円までの贈与には贈与税がかからないことになります。

超えた分については、一律20%の税金が課税されます。

暦年贈与で毎年110万ずつ贈与していても十分に贈与ができないまま被相続人が亡くなることもあります。

そのため短期間に多額の財産を贈与したい場合は、相続時精算課税制度が有効です。

暦年贈与と比較すると、短期間で相続人に財産を移転させることができます。

 

2500万円を非課税で一人に贈与すると23年かかりますが、

相続時精算課税制度制度を利用すれば一度に非課税で2500万円を贈与することができるのです。

しかし、適用の届け出を出すと暦年贈与への変更ができないのでよく検討しましょう。