葬儀の費用も相続税の控除対象に。知っていると助かる債務控除のこと。

相続が発生した場合、相続税を抑えるために活用できる「債務控除」ですが、
債務控除の対象となるもの、ならないものが出てきます。
便利な制度ではありますが、判断は細かく規定されているため
どんな債務が控除されどのような人が利用できるのか、
分かりづらいことも多くあります。

相続税の債務控除とは、相続する財産から債務の額を差し引きして
残った金額にだけ相続税を課税する、といった制度です。

財産を相続する場合は、現金や土地、家といったプラスになるものだけでなく
借金やローンなどのマイナスのものも相続しなければいけません。
そのため、相続によって相続人の負担が少しでも軽くなるように、
この控除制度が設けられています。

債務控除は葬儀費用も対象となります。
葬儀費用を控除できれば相続税の支払いを抑えることができます。
葬儀費用は平均的に200万円近くかかるとも言われています。
通夜や告別式に際し葬儀会社に支払った費用、
お寺などへ支払ったお布施、戒名料、読経料など、
葬式で必ず発生するであろう費用は控除されます。

また飲食費用、葬儀のお手伝いをしていただいた方への心付けも対象に含まれます。
相続税の申告には、基本的に領収書の添付が必要ですので、
お渡しをした心づけの金額と誰に支払ったか、
支払った日もしっかりとメモしておくことが大事です。
領収書が出せない場合でも、メモがあれば葬式費用として債務控除が可能になります。

香典返しは、葬式費用に該当しない(葬式には関係ない)ものにあたるので、
控除の対象にはなりません。
ですが、葬儀当日に渡す会葬御礼では
香典返しを後日に別にした場合、葬式費用になります。
また、お墓も葬儀とは関係なく建てるものなので控除の対象になりません。
墓石、お墓の土地、彫刻にかかる費用なども、控除対象外になるので注意しましょう。

気を付けたいのが、葬儀費用の控除には期限があります。
相続税の申告期限は故人が亡くなったことを知った日から、10か月以内です。
納付する税額があるときは、期間内に申告して
納税する必要がありますので注意しましょう。